衆議院総選挙公約比較-15の争点-シリーズ
今回は【LGBT】です!
LGBTとは?背景と現状について
LGBTとは、
L:レズビアン
G:ゲイ
B:バイセクシャル
T:トランスジェンダー
の頭文字を取った、性的マイノリティを指す言葉です。
今回2017年の衆院選については、特にLGBTへの差別をなくすための取り組みが争点の一つになっているようです。その背景としては、一橋大学の学生が同性愛者であることを友人に暴露され自殺した「一橋アウティング事件」などで、LGBTへの理解の欠如、差別が問題になっていることなどがあげられます。
今回の衆院選の争点と各政党の政策比較
では、各党の公約を比較してみましょう。今回は、法律で差別を禁止するのか、それともまずはLGBT当事者に対する理解を促進するのが先なのか、といったところが争点の一つなようです。
▼性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法を目指す(自民党)
差別禁止の法制化ではなく、まずはLGBT当事者への正しい理解を促進するための立法です。自民党が主に提案しています。方針としては、カミングアウトできる社会ではなく、する必要のない社会、自然に受け入れられる社会を目指して、理解増進を目的とした法律です。
メリットとしては、現状ではあまりに当事者に対する理解が欠如しているため、差別禁止の法制化をすると不注意の発言などが差別と断定されるリスクがあり、時間がかかってもまずは考察を深め理解の促進を図ることが重要、といった意見があります。
▼性同一性障害の方に対して社会や特に学校において積極的な対応を進める。(公明党)
これは公明党がLGBTのうちTである性同一性障害の当事者に関して、「性同一性障害特例法の見直しを含め、性別適合手術の保険適用化や安心して使えるトイレの普及など、性同一性障害の当事者が、医療や職場、学校などで抱える困難の解消を図ります。合わせて、学校における対応として、教員向けの研修の強化、相談体制の充実などを図ります。」といった対応を提案しています。
▼差別禁止の法制化をする(希望の党、立憲民主党、共産党、社民党)
これは、LGBT当事者に対する差別的取扱を法律で禁止するというものです。今回の衆院選の公約では、希望の党、立憲民主党、共産党、社民党が提案しています。
法制化の例としては、2016年に日本共産党、旧民進党、社民党、生活の党が共同で提出したLGBT差別解消法案などがあります。内容としては、行政機関及び事業者における性的指向又は性自認を理由とする差別的取扱いの禁止などがあげられています。
メリットとしては、①同性婚やパートナーシップ制度の導入への第一歩として、カミングアウトできる社会を作る手段として有用だということ、②企業や行政が勉強や啓発をするインセンティブとなり、結果的にLGBTへの理解が促進される、といった点があります。
まとめ
LGBTということを公表している議員さんもおり、パートナーシップ制度も一部の自治体で導入され、近年注目度が高まりつつある問題です。
今回の衆院選ではLGBTの差別禁止の法制化が争点になっていましたが、今後、同性婚やパートナシップ制度など踏み込んだ政策まで議論が深まるといいですね。社会全体で、多様性とは何なのか、実現のために何が必要なのかということを考察していく必要があるでしょう。
参考資料
http://www.asahi.com/senkyo/senkyo2017/koho/O05.html
http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/04/lgbt-couple-shibuya-setagaya_n_8475140.html
https://www.minshin.or.jp/article/109178
http://www.huffingtonpost.jp/letibee-life/lgbt-difference_b_8283160.html
http://www.asahi.com/articles/ASK575QNXK57UTFK005.html
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/132489_2.pdf
この記事は全党の公約を参考に執筆しました。公約へのリンクはこちら